こんにちは。
前回の【第8話】リスクを自在にコントロール!最強のポートフォリオでは、資産配分によってリスクを管理する方法をお伝えしました。
これで準備は完璧…と言いたいところですが、最後に最大の敵が待ち構えています。
それは、相場ではなく「あなた自身の感情」です。
「〇〇ショックで株価が半分に!」というニュースを見た時、あなたは冷静でいられますか?
今回は、投資家の9割が負けてしまう原因である「恐怖」と「強欲」をコントロールし、相場の波を乗りこなすためのメンタル術を伝授します。

なぜ私たちは「安く売って、高く買ってしまう」のか?
投資の基本は「安く買って、高く売る」ことですよね。小学生でも分かる理屈です。
しかし、実際の市場では多くの人が真逆の行動をとってしまいます。
- 暴落時(安い時): 「もう終わりだ!これ以上損をしたくない!」という恐怖で、底値で投げ売りする。
- 高騰時(高い時): 「みんな儲かってる!乗り遅れるな!」という強欲で、高値掴みをする。
これはあなたの性格が悪いのではなく、人間の脳がそうできているからです。
1万円拾う喜びより、1万円落とすショックの方が大きい
行動経済学には「プロスペクト理論(損失回避性)」という有名な法則があります。
人間は、利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛の方を「2倍以上」強く感じると言われています。
つまり、株価が上がっている時のワクワクよりも、下がっている時のドキドキの方が精神的ダメージが大きいため、本能に従うとどうしても「損切り(逃走)」を選んでしまうのです。

投資の神様でも避けられない「暴落」への対処法
今後10年、20年と投資を続けていれば、必ず「〇〇ショック」と呼ばれる大暴落に遭遇します。その時、パニックにならずに市場に留まるための3つの極意を紹介します。
1. 毎日株価をチェックしない
これが最強のメンタル管理術です。
長期投資家にとって、日々の値動きはノイズ(雑音)でしかありません。毎日チャートを見て一喜一憂していると、脳が疲弊し、誤った判断をする確率が高まります。「証券口座のパスワードを忘れるくらい」が丁度いいのです。
2. 「気絶投資法」を味方につける
アメリカの大手運用会社が「最も高いリターンを出した顧客」を調査したところ、1位はなんと「亡くなっている人(口座の存在を忘れていた人)」だったという有名な話があります。
余計なことをせず、ただ持ち続けていた(ガチホしていた)人が、頻繁に売買を繰り返した人に勝ったのです。暴落時は「今は冬眠の時期だ」と割り切り、投資のことを忘れて趣味や仕事に没頭しましょう。
3. 歴史を振り返り、ズームアウトする
スマホの画面で「今日の株価」だけを見ると、大暴落に見えるかもしれません。しかし、過去30年、50年という長い期間のチャートに引きで見て(ズームアウトして)みてください。
リーマンショックもコロナショックも、長期的な右肩上がりのグラフの中では、ほんの小さな「くぼみ」に過ぎないことが分かります。「過去、世界経済はあらゆる危機を乗り越えて成長してきた」という事実が、あなたの握力を強くしてくれます。

第9話まとめ:最大の敵は「自分自身」の中にいる
今回のまとめです。
- 人間は本能的に「損」を極端に嫌う生き物である(プロスペクト理論)。
- 暴落時にパニック売りをするのが、資産形成における最悪の失敗。
- 株価を見ない、忘れる、長期視点を持つことで、感情をコントロールする。
嵐が来た時に、船から飛び降りてはいけません。じっと船底に隠れて、嵐が過ぎ去るのを待つのです。それができる人だけが、その後に来る「虹(利益)」を見ることができます。
いよいよ次で最終回です。
これまで9回にわたり、投資の始め方からメンタルの保ち方まで解説してきました。
最後は、これまでの総復習と、投資を始めたあなたがこれから歩む未来についてお話しします。
次回、【第10話】投資という「航海」に出るあなたへ。最終まとめと未来への地図で、この連載を締めくくりたいと思います。


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